2026.08.05 invy事例紹介
「誰が誰に声をかけたか」が見えない紹介制度をデジタル化!全国展開のフィットネスクラブが1か月で掴んだ数字とは?
競合の多様化と広告費の高騰により、フィットネス業界の新規獲得は年々難しくなっています。そうしたなか、全国にクラブを展開するあるフィットネスクラブ運営企業は、以前から実施していた「お友達紹介」を集客の柱として位置づけ直しました。
同社では、もともと紹介制度自体は存在していました。しかし、紙の紹介カードを手渡しする運用では、紹介が生まれる過程は入会するまでブラックボックスのまま。
本記事では、同社が紹介をデジタル化するまでの過程と、運用開始から約1か月の分析で見えた数字をお届けします。
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業種 |
総合フィットネスクラブの運営(全国に複数店舗を展開) |
| 業態 | マシンジム/スタジオプログラム/プール/大浴場・サウナ等を備える総合型クラブ |
| invy導入前の状況 | 既存の友人紹介制度あり・店頭やLINEなどで告知を実施 |
| 紹介特典 | 紹介者・入会者の双方に、対象月の月会費から3,000円OFF(特典強化月間は5,000円OFF) |
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1. invy導入の背景:紹介制度はあったが、「紹介前の行動」が見えなかった

同社では以前から友人紹介制度を導入しており、紹介者と友人の氏名を記入する紙のカードを店頭で配布し、友人が来店した際に受付へ提出してもらう形で運用していました。
この運用が抱えていた課題は、大きく3つありました。
① 紹介の"過程"が入会するまで見えない
紙のカードは、紹介者が友人に手渡しするか、友人と一緒に来店して申告するしか経路がありません。つまり、「誰が、いつ、何人に紹介したのか」などの紹介が生まれるまでのプロセスは、その友人が入会して初めてわかる構造でした。
声はかけたが渡せなかった紹介、渡したが来店に至らなかった紹介は、すべて記録に残りません。
② ボトルネックが特定できない
例えば、「今月は紹介経由で50件の入会があった。来月さらに成果を伸ばすには何を改善すべきか」。
このような判断をする際、従来の運用では「告知を増やすべきなのか」「紹介特典を見直すべきなのか」「紹介しやすい仕組みに変えるべきなのか」といった具体的な改善ポイントを判断するためのデータが不足していました。
入会数という最終成果だけでは、紹介数を伸ばすためのボトルネックを特定することが難しい状況でした。
③ 「紹介する理由」=顧客の声が取れていない
同社では過去に、豪華賞品が当たる抽選キャンペーンなども実施し、特典を強化することで一定の反応が得られることは確認していました。
しかし、それによって分かったのはは「特典に魅力を感じて参加した人数」であり、「なぜその人が友人へ紹介しようと思ったのか」という動機までは把握できませんでした。
同社が可視化したかったのは、まさにここでした。
「そこら辺の声も取れていないというのが実情で、今は本当に紹介入会の数だけで見ている状態でした」(担当者様)
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2. 紹介をデジタル化する──特典の統一と、店舗説明会
従来の紹介制度が抱えていた「紹介プロセスが見えない」「改善ポイントが分からない」という課題を解決するため、同社は紹介制度のデジタル化に着手しました。
単に紙の紹介カードをWeb化するだけではなく、紹介のきっかけや成果までを把握できる仕組みへと変更。さらに、全国の店舗で同じ運用ができるよう、制度設計そのものも見直しました。
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特典ルールを統一し、店舗ごとの成果を比較できる状態へ
店舗ごとにバラバラだった金額を、通常時は全店3,000円OFFに統一。
繁忙期(4月・7月・10月・1月)は5,000円OFFに引き上げるメリハリ設計とし、店舗間の成果を同じ条件で比較できる状態をつくりました。 -
紹介ページに「紹介する理由」を組み込み、顧客の声をデータ化
紹介者は、施設やレッスン、立地といったおすすめポイントを選択肢から複数選び、自由記述でメッセージを添えられます。
これがそのまま友人の見るページに反映され、これまで取れなかった"推薦理由"のデータとして蓄積されます。 -
来店計測は「お客様が操作し、スタッフは確認するだけ」のシンプルな運用へ
紹介後の来店確認も、店舗スタッフの負担を増やさない形でデジタル化しました。
友人がページ上のボタンからカメラを起動し、店舗ごとに固有のQRコードを読み取って氏名・電話番号を入力すれば来店確認が完了。店舗固有のQRのため、どの店舗の成果かも自動で判別されます。 -
紙のカードも捨てずに活かす
紙の紹介カードやチラシにはQRコードを設置し、そこからWeb上での紹介行動を計測できる導線を構築。これまで店舗で発生していたオフラインの紹介接点を維持しながら、紹介後の行動データまで把握できる仕組みに変えました。 -
公開前に、店舗責任者向け説明会を実施
同社は制作スケジュールを後ろ倒ししてまで、現場への浸透プロセスを優先しました。
完成した実機をスマートフォンで触ってもらうデモまで行い、参加できない店舗には録画を配布しました。あわせて、声かけに最適な3つのタイミング(入会手続きの直後/レッスン・プール利用後/特典強化月)を共有し、制度を「置いておくだけ」ではなく、現場で活用される紹介施策へと整備しました。
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3. invy導入後:約1か月の分析でわかったこと
紹介の連鎖が、初めて数字となり「可視化」された
運用開始から約1か月の紹介施策を分析したところ、紹介から成約までのファネルは次のようになりました。

注目すべきはゲストCVR 約34%に達している点です。
紹介を受けてページを訪問した友人の約3人に1人が入会につながっており、「信頼を起点とした来訪は、高い成約効率を生み出す」ということが、初めて具体的な数値として可視化されました。
一方で、次に改善すべきポイントも明確になりました。現状、紹介誘導率は約5%であり、ページを訪れたユーザーの約95%は、まだ紹介行動に至っていません。
つまり、今後注力するポイントに関しては、「告知を増やすか、特典を上げるか」ではなく、「紹介者ページに来た人の背中をどう押すか」という、より具体的な体験設計へと移っていることが分かります。
参考記事:リファラルマーケティングの改善ポイントとは?主要指標や改善方法について詳しく解説
「見られている媒体」と「紹介が起きる媒体」は異なる
媒体別に紹介誘導率を分析すると、担当者様の想定とは異なる傾向が明らかになりました。

LINEなどは閲覧数こそ圧倒的ですが、実際の紹介行動につながる割合では、店頭施策が20倍以上高い結果となりました。
これは、ポスターのQRコードを能動的に読み取るという行動を取った人は、そのまま紹介まで進む確率が高いく、オンラインの一斉配信は、リーチは広いがその場での行動喚起が難しい──という構図です。
この発見は、すぐに運用の意思決定に変わり、店舗でのチラシ配布を強化するなど、具体的な運用改善にもつながりました。
「チラシが1番多かったので、店舗にも案内して、チラシを積極的に渡すようにと。どんどん社内の運用を整えていければと思っています」(担当者様)
紙のカード運用では測れなかった「どの接点が紹介行動につながるか」を、デジタル化によって可視化できた事例です。
「思い立った時にすぐ紹介できる」導線を用意する
オンラインの役割は"認知"、オフラインの役割は"誘導"。
この整理から、同社が次に着手しているのがLINEリッチメニューへの常設と会員マイページへの固定バナー設置です。
一斉配信は流れて消えますが、常設導線であれば「紹介しよう」と思い立った瞬間にいつでもたどり着けます。オンラインで認知を獲得し、オフラインで確実に誘導する。そのうえで、思い立った時の受け皿を常設しておく設計です。
店舗別の成果が、改善の起点になる
invyの店舗管理機能により、店舗ごとの紹介数・紹介誘導率・成約率がダッシュボードに並ぶようになりました。
「紹介数は多いが成約率が低い店舗」「閲覧は多いが紹介が少ない店舗」「紹介数は少ないが成約率が突出して高い店舗」──同じ特典・同じツールを使っていても、店舗によって成果の出方は明確に分かれます。
重要なのは、この数字を評価に使わないことです。誘導率の低い店舗は掲示場所や声かけのタイミングを見直す、成約率の高い店舗の接客をナレッジ化して横展開する。データは評価ではなく、改善の起点として扱う方針が共有されています。
参考記事:多店舗展開企業向け|紹介キャンペーンの運用課題と運用を効率化する店舗管理機能について分かりやすく解説
\「多店舗サービスにおける紹介キャンペーンのコツ」はこちら/
4.invyの活用と今後の展望
同社が描くロードマップは2つです。
① オンライン導線の改善
LINEリッチメニューやマイページへの常設バナーで、一斉配信に依存しない導線をつくる。
② 紹介データのCRM活用
紹介数と最終紹介日でスコアリングし、「隠れアンバサダー」──自身の利用額は平均的でも、友人を何人も連れてくる顧客──を発見して、感謝特典やアンバサダー施策につなげる。
特に2つ目は、同社が全店で推進しているNPSプロジェクトとも連携可能です。NPSで把握できるのはあくまで「紹介したい」という意向であり、実際に誰かを紹介したか、その紹介が成果につながったかまでは把握できません。
NPS(意向)に、紹介行動と紹介成果のデータを重ねることで、初めて「本当のファン」を特定することが可能になります。
参考記事:NPSを日本で有効活用するには?平均値やメリット、活用時の注意点を解説
編集後記
今回の事例で最も大きな発見だったのは、「多くの人に届いている媒体」と「実際に紹介行動につながる媒体」は必ずしも一致しないという点でした。
そして重要なのは、この発見が「面白いね」で終わらず、その週のうちに「カードではなくチラシを配ってください」という現場への具体的な指示に変わったことでしょう。
もうひとつ印象的だったのは、公開スケジュールを後ろ倒ししてでも店舗責任者向けの説明会を優先されたご判断です。多店舗の紹介施策は、本社がどれだけ良い仕組みを用意しても、店頭で声をかけてもらえなければ1件も生まれません。
紹介は、仕組みを整えれば自動的に増えるものではありません。しかし「どこがボトルネックか」がわからなければ、増やしようがないのもまた事実です。
「多店舗展開しているが、現場の紹介施策が属人化している」「店舗ごとのファン度を可視化し、運営改善に活かしたい」とお考えの経営者・マーケティング責任者様へ。
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