効率的なデータ管理を実現!データ基盤構築の3つのポイントとは?

自社が保有するデータを有効活用することで、ビジネス戦略の策定や自社課題の見える化など、様々なシーンで役立ちます。そして、データを効率的に管理・活用するためには、データ基盤が有効なツールになります。

本記事では、データ基盤の概要や役割、データ基盤構築のポイントなどを分かりやすく解説します。自社でデータ活用を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

データ基盤とは?

データ基盤とは、組織や企業がデータを収集・管理・分析するためのシステム群を意味する言葉です。

近年、デジタル技術の発展に伴い、企業が保有するデータ量は増加し、その種類も多様化しています。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、消費者ニーズは大きく変化しました。

常に変化するビジネス市場を生き抜くためには、自社が保有するデータを適切に管理し、それらを分析・活用することで適切なアクションに繋げる必要があります。これを実現するうえでデータ基盤はとても有効なツールであり、多くの企業がデータ基盤を利用して自社のデータを管理・活用しています。

データ基盤の4つの役割

データ基盤の主な役割としては、

  • データの収集
  • データの蓄積
  • データの加工
  • データの分析

の4つが挙げられます。

まずは自社に点在する様々なデータを収集し、それらをデータ基盤に蓄積します。そして、分析作業をスムーズに行うためにデータを加工し、整理されたデータを分析して、その結果から有益な情報を抽出します。

このように、データ基盤はデータを管理するだけではなく、データの収集からデータの分析まで、データ活用における一連のプロセスを一気通貫で実行できる点が大きな特徴となっています。

効率的なデータ管理を実現するためにデータ基盤が有効な理由

記事の前半では、データ基盤の概要についてご説明しました。それでは、なぜ効率的なデータ管理を実現するために、データ基盤が有効なツールになるのでしょうか?

ここで重要なキーワードとして挙げられるのが「ビッグデータ」です。ビッグデータとは、量が膨大かつ様々な形式が含まれている非構造化データ(または非定型的データ)を意味する言葉です。

近年、デジタル技術の急速な進化に伴い、企業が保有するデータのビッグデータ化が進んでいます。そして、従来のExcel管理のような簡易な管理方法では、膨大かつ多様なデータを管理することが困難になりました。

そこで、効率的なデータ管理を実現するための手段としてデータ基盤が注目を集めるようになりました。データ基盤は膨大な非構造化データを一元的に収集・管理でき、それらを整理された状態に加工してデータ分析を行うことも可能です。

さらに、データ基盤は社員全員が同じ環境にアクセスできるため、ローカル保管のように業務が属人化するリスクを回避できます。加えて、堅牢なセキュリティ体制で自社の機密データを保管できる点も、データ基盤の大きな魅力の一つとなっています。

このように、データ基盤は効率的なデータ管理を実現するうえで有効なツールとなっています。デジタル技術が発展した現代においては、データ基盤は企業の明暗を分ける重要な存在であると言っても過言ではないでしょう。

データ基盤構築の3つのポイント

本章では、データ基盤構築における重要なポイントをご紹介します。なお、具体的なデータ基盤構築の流れは別の記事で解説していますので、ここでは主にエンジニアリング目線の内容について触れていきます。

関連記事:自社のデータ管理に役立つ「データ基盤」とは?構築の手順を 5Step で解説!

データアセスメントを実施する

精度の高いデータ基盤を構築するためには、取り扱うデータの量や質を一定に担保しなければいけません。そこで、データアセスメント(データを客観的に評価すること)が有効な選択肢になります。

データアセスメントを実施することで、データの加工・分析を行う目的や、自社が保有するデータの現状などを把握できます。これにより、データ基盤を構築するうえで必要なデータを量・質ともに揃えることができ、有効なデータ基盤の構築に繋がります。

データスキーマを作成する

データスキーマとは「データベースの設計図」のようなものであり、データスキーマをどのように定義するかによって、データの格納方法が変わります。そして、データ基盤を構築する際は、このデータスキーマが重要なポイントになります。

効率的なデータ基盤を構築するためには、データスキーマを運用しやすい形で定義する必要があります。例えば、データの加工ロジックをデータ間で密接に依存させすぎないように工夫することで、データソースの変更に対して柔軟に対応できるようになります。

このように、データスキーマはデータ基盤を構築するうえで重要な意味を持ちます。いきなりデータ基盤の構築に取り掛かるのではなく、データスキーマの定義を慎重に検討し、先を見据えながら作業を進めることが大切です。

一方通行のデータフローを整備する

データフローとは「データの流れ」を意味する言葉であり、データスキーマと同様にデータ基盤を構築するうえで重要なポイントになります。なぜなら、データフローが複雑に入り組んでいると、データ基盤の処理効率が低下してしまうためです。

例えば、データフローがバラバラの状態になっている場合、自動でデータを抽出することができずに大きな作業工数が発生します。また、データ更新の流れが双方向的になっていると、更新時にデータの状態が不安定になってしまうリスクもあります。

そのため、データの状態を安定化させるためには、データの流れが一方通行となるようにデータフローを作成することが大切です。

また、一般的なデータ基盤では、

  1. データレイク
  2. データウェアハウス
  3. データマート

という3層構造によってデータ基盤が構成されています。

そして、各層におけるデータの流れを円滑化するためにも、データフローの整備は必要不可欠になります。このように、システム内のデータの流れを整理することも、データ基盤の重要な役割の一つであることを覚えておきましょう。

データ管理の効率化に役立つITツール

前述した通り、データ基盤は3層構造となっており、それぞれの層が異なる役割を持っています。そして、各層で処理されたデータが次の工程へ順番に流れていきます。

データ基盤の全体像

本章では、データ管理の効率化に役立つITツールとして、「データレイク」「データウェアハウス」「データマート」の3つをご紹介します。なお、それぞれの違いについては以下の記事で詳しく解説していますので、ここでは概念のみの簡単な紹介とさせていただきます。

関連記事:データウェアハウス・データマート・データレイクの特徴と違いとは?

データレイク

データレイクは「データの湖」を意味する名前の通り、膨大なデータを生データのまま格納しておくためのツールです。音声データや動画データ、SNSのログデータなど、多種多様な非構造化データをそのままの形式で保管できます。

そして、データレイクに保存されている情報は「必要になった時のために一応保管しておこう」のように、明確な目的を持っていないことが一般的です。そのため、データ基盤におけるデータレイクは、単にデータを保管するだけの場所だと捉えるのがイメージしやすいでしょう。

データウェアハウス

データウェアハウスは膨大なデータを保管しておくためのシステムであり、英語表記の「Data Ware House」を略してDWHと呼ばれることもあります。「データの倉庫」と表現されることが多く、膨大かつ多様なデータを格納するための場所として利用されます。

データウェアハウスに保管されたデータは主に分析を行うために活用されるため、既に使っていないアクセスログなどの情報も一元的に格納する点が大きな特徴となっています。データ基盤においては、データレイクに蓄積された膨大なデータを整理・加工するために、データウェアハウスが使われることが一般的です。

データマート

データマートは小売店を意味する「mart」という英単語が語源であり、データウェアハウスに保管されているデータの中から、目的に応じたデータを抽出・加工して保管するためのデータ保管システムです。そのため、データウェアハウスの小型版と考えるのがイメージしやすいと思います。

データ基盤の3層構造においては、このデータマートが最後のプロセスになります。データウェアハウスで整理・加工したデータをデータマートで用途ごとに保管し、分析作業をスムーズに進めるための準備を行います。

まとめ

本記事では、データ基盤の概要や役割、データ基盤構築のポイントなどを解説しました。

自社のデータを有効活用するためには、データ基盤が有効なツールになります。情報のビッグデータ化が進み、デジタル技術が急速に発展した現代においては、データ基盤は必要不可欠なものであるといえるでしょう。

そして、精度の高いデータ基盤を構築するためには、データスキーマやデータフローなど、様々な点について考慮する必要があります。この記事を読み返して、重要なポイントを理解しておいてください。

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本記事を参考にして、データ基盤構築への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

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