リソース不足を解消するデータ分析・基盤構築のアウトソーシング活用

データ基盤は、企業にとってもっとも重要な「顧客の管理や獲得」に関わってくるものです。ただ、自社でデータ基盤を構築しようとすると、膨大な時間がかかったり、多くの人手が必要になったりする場合が多いです。そのような状況に陥るのを避けるための選択肢として、「アウトソーシング」があります。

ここでは、

  • データ基盤が持つそもそもの役割とは?
  • 「データ基盤構築をアウトソーシングする」という選択肢について
  • データ基盤構築をアウトソーシングする3つのメリット
  • アウトソーシング先の探し方と気をつけるべきこと

について解説していきます。

データ基盤が持つそもそもの役割とは?

「データ基盤」とは、企業などが以下のことを行うために使用するシステムのことを指します。

  • 消費者のニーズの収集
  • 顧客データの管理
  • 得られたデータの分析

DX化が叫ばれるようになって久しい現在において、データ基盤は企業にとって非常に重要であり、また有用性が高いものです。データ基盤は消費者の必要としているサービスや商品についての情報を集めることができますし、それを分析することでより多くの顧客や売り上げを獲得するための手段となるからです。

そして、効率的にリピーター獲得するためのマーケティング施策をする際に有用なのがこの「データ基盤」だといえます。データ基盤によって把握できる消費者のニーズはリピーターの獲得に役立ちますし、データ基盤の持つ高いデータ管理能力は企業にとって便利なものです。

ただこれらは機密性が高いデータであるため、安心かつ信頼のおける保守運用が求められます。この保守運用がきちんとなされていなかった場合、顧客の情報などが流出する可能性が高くなり、企業イメージを失墜させることになりかねません。

※なお「データ基盤」はしばしば「データ分析基盤」と記されますが、ここでは「データ基盤」の表記に統一します。

「データ基盤構築をアウトソーシングする」という選択肢について

IT業務は一般的に、「企画・開発」と「運用」の工程に分けられます。

特に「企画・開発」は、IT部門のもっとも根幹に関わる工程です。データ基盤構築をアウトソーシングする場合は、発注元が「どのようなことをやりたいか」の企画を作成しそれにしたがって外注先が開発を行うこともあれば、外注先が企画から手掛けることもありますし、運営をメインに外注することもできます。

ただいずれの場合であっても、データ基盤は企業にとって大切なものであると同時に、扱い方に慎重さが求められるものです。データ基盤を社内のSEなどに構築させることも不可能ではありませんが、自社で一から構築しようとすると相応の人的・時間的コストがかかります。

さらに、構築後も以下のような問題が発生する可能性が高いです。

  • まだデータが少なかったころは自社で運営ができたが、データの量が多くなるに従い、今までのシステムでは管理するのが難しくなってきた
  • 業務拡大にあたり、データの登録や管理、分析にあてられる時間が少なくなってきた
  • データの管理が属人化してしまい、その担当者が休むとデータが上手く使えなくなる

それぞれ解説していきましょう。

1.専門知識のある人材がいなくてもがデータ基盤構築が可能

データ基盤の構築には専門知識が必要になりますが、「そもそも社内に専門的な知識を持つ人がいない」と頭を悩ませている企業もあることでしょう。

このような場合でも、データ基盤の構築を多く手掛けてきた企業にアウトソーシングすることで、スムーズなデータ基盤の構築が可能となります。データ基盤の管理や運営においても、専門知識のない人でも扱えるような分かりやすいシステムとして構築することが可能です。

2.人員不足を補うことができる

専門知識のあるSEが社内にいたとしても、

  • データ基盤構築の時間を確保することが難しい
  • SEにかかる業務負担が著しく大きい

という問題を抱えていることが多く、データ基盤を扱う人員が不足しがちです。人員不足を解消するために新しく人材を登用しても、彼らが育つまでにはある程度の時間が必要になります。また、即戦力となるベテランを採用したいと考えた場合も、そのような人材がなかなか見つからずに困ることもあるでしょう。

アウトソーシングを活用すれば、人員不足の解消につながるうえ、社内SEの業務負担を減らすことで健康やプライベートを守ることもできるようになります。

3.迅速かつ効率よくデータの基盤の運用ができる

データ基盤は、「データを集めること」だけを目的に構築されるものではありません。収集したデータを分析し、その結果から読み取れる内容を業務に反映して初めて意味を持つことになります。しかし、人員が不足している状態にある社内で、これを完結させようとすれば非常に長い時間がかかってしまいます。

顧客(潜在的な見込み客を含む)のニーズがすぐに移り変わる現代においては、この「分析までにかかる時間が長くなる」という点が大きなデメリットとなり得ます。分析が遅ければ、それを業務改善に反映する速度も遅くなりますし、場合によっては「時間をかけて得た分析結果」を業務改善に生かそうとしたときにはすでに古くなっている...…ということすらあります。

多くの情報が簡単に手に入るようになった現在では、「分析した情報を迅速に得られないこと」は、大きなマイナスといえます。「迅速さが求められているのは分かっているけど、どうしても人員が不足していて対応が後手後手に回ってしまう」という場合は、アウトソーシングの活用が極めて有効です。 アウトソーシング先の企業は、迅速にデータ分析を行い、それをフィードバックできる環境を整えてくれます。この「すばやいフィードバック」の活用が、業務改善や新しい商品の開発の早さに直結します。

「社内にもSEがいるから大丈夫」「自社のことは自社だけで解決し、他社に持ち込まない」という考え方は、決して間違ってはいません。ただ、社内SEの手が足りなくなっていたり、扱うデータが膨大になりすぎていたりして迅速な分析が難しい状況になっている場合は、アウトソーシングという選択肢を検討するべきでしょう。

たしかにアウトソーシングするには費用がかかります。しかし、アウトソーシングによって得られる業務属人化の解消や人員不足の解消、迅速な分析と業務への反映が可能になるというメリットは、多くの場合かかった費用以上のメリットをもたらしてくれます。

アウトソーシング先の探し方と気をつけるべきこと

上でも述べてきた通り、自社でのデータ基盤の構築や管理、保守、運営が難しい場合は、これらのアウトソーシングを考えることが有効です。ただし、「アウトソーシングをしさえすればよい」「データ基盤関係の業務を扱っているところならば、どこに頼んでもよいだろう」と考えるのは危険です。自社にとってとても重要な意味を持つデータ基盤関係のアウトソーシングは、「どのような企業に依頼するか」が非常に大切だからです。

データ基盤関係の業務をアウトソーシングする場合、以下の点を確認しながらアウトソーシング先を探すのがポイントです。

  • 自社を理解してくれるか
  • 納期や依頼内容について満足のいく回答を出してくれるか
  • 過去の実績が豊富か

ひとつずつ見ていきましょう。

自社を理解してくれるか

IT分野に限ったことではありませんが、アウトソーシング先を探す場合は、「自社の業務やスタンス、ポリシーや目的を理解してくれる企業」を探すことが必要です。自社の考えを理解していない企業に依頼した場合、できあがってくるシステムは自社の求めていた能力を発揮できないものになる可能性が高いからです。

なお、このような「マッチング度の高いアウトソーシング先」を探す場合には、まずは自社の業務やスタンス、ポリシーや目的を自社内で洗い出して言語化しておくことが必要です。特に「目的の洗い出し」は非常に重要です。それによって依頼するべき内容も変わってくるからです。

納期や依頼内容について満足のいく回答を出してくれるか

データ基盤関係の業務をアウトソーシングする場合、「どこまでの業務に対応しているか」をアウトソーシング先に確認することも重要です。「『構築』だけでなく、データの分析や可視化についてもアドバイスしてもらえるのか、できる場合は費用や時間はどれくらいかかるのか」などを確認しておきましょう。特に「対応までにかかる時間(納期)」は確実に確認しておく必要があります。

データ基盤を初めとするIT分野のアウトソーシングは、上でも述べたように、「自社の人員不足」や「自社の時間不足」を補うために行われることが多いものです。「自社でデータ基盤を扱うための人員や時間が不足していたから頼んだのに、納品が遅く、自社で作った方が早かった」という状態になってしまっては、依頼する意味が半減してしまいます。

過去の実績が豊富か

「過去の実績の豊富さ」は、アウトソーシング先の企業を選ぶうえでの重要な判断基準のひとつです。過去の実績が豊富であれば、それだけヒアリング能力が高く、一つひとつの企業に合ったデータ基盤の構築や管理、運用を実現してきたと捉えられるからです。また、豊富な経験から、より良いプランを提案してくれることも期待できます。

もっとも、ITの分野は、「老舗であればあるほど良い」「創業から長い時間が経っていればいるほど会社の信頼度が高い」といえるものではありません。IT分野は日進月歩であり、特に新陳代謝が激しい分野だからです。

まとめ

企業にとって、「データ基盤の構築や管理、保守、運用」は非常に重要なものです。顧客情報を蓄えることによって顧客それぞれにマッチしたアプローチが可能になりますし、スタッフが必要なときに必要なデータにアクセスできるようにすることで業務は効率化します。

また、データ基盤をきちんと保守することによって、顧客情報の流出などを原因とした企業の信頼失墜を防げます。さらに、情報の鮮度が重要な現在においては、迅速にデータの分析~フィードバックを行える体制を整えることでより良い事業展開が可能になります。

ただ、「専門的な知識を持った人が社内におらず、データ基盤の構築が難しい」「人員も時間も足りず、蓄えたデータを十分に生かしきることができない」という状況では、このようなメリットが得られにくくなります。このような場合は、専門の業者にアウトソーシングするという選択肢を考えてみましょう。自社のことをよく理解し、丁寧にヒアリングをし、さまざまな業務に対応できる実績豊富なアウトソーシング先を選べば、自社が抱える重荷を減らすことができます。

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