スコアリングロジックとは?具体的な組み立て方を 5 ステップで解説!

自社のマーケティング活動を効率化するためには、スコアリングロジックが重要な要素になります。適切なスコアリングロジックを組み立てることで、受注率が高い見込み顧客を抽出でき、自社のマーケティング活動の効率化に繋がります。

本記事では、スコアリングロジックの概要やメリット、課題などに加えて、スコアリングロジックの組み立て方を 5 ステップで分かりやすく解説します。

B to B 領域の営業組織でスコアリングの実施経験はあるものの、

  • より多くの商談を創出したい
  • もう一段踏み込んだ MA 活用を行いたい
  • スコアリング設計を行いたいがやり方が分からない

と感じている方は、この記事を読むことで、スコアリングロジックの具体的な組み立て方を理解でき、さらなる商談創出を実現できます。

なお、この記事に掲載している内容は、 HubSpot のプラチナパートナーである弊社クリエイティブホープが実施・提案しているリードマネジメント施策の一つです。そのため、記事を読んだ後、すぐに行動に移せるような実践的なノウハウであり、リードの案件化数の増加にも繋がるため、ぜひ最後までご覧ください。

スコアリングロジックとは?

まずは、スコアリングという言葉の意味を理解しておきましょう。

スコアリングとは、見込み客(リード)を属性や行動によって評価し、自社との相性や顧客の関心領域の理解、アプローチの優先順位決めなどを行うための評価方法を意味します。なお、スコアを大きく分けると「属性スコア」と「行動スコア」の 2 つに分類されます。

属性情報のスコアリングは、企業名や顧客情報などをシステムへ正しく登録した上で、企業属性や個人情報をもとに優先度合いを判断します。一方、行動情報のスコアリングでは、 Web サイトの閲覧やメールの開封、クリック、広告経由での資料請求、セミナーへの参加など、見込み客の行動を基準として優先度合いを判断します。

そして、スコアリングロジックとは、受注確度の高い見込顧客を選定するために、属性情報や行動情報に対してスコアリングの重み付けを行うことです。例えば、「セミナーに参加したらプラス 10 点」のように、顧客の属性・行動をスコアリングするための具体的なルールを決めていきます。

実際のスコアリングでは、このスコアリングロジックに沿ってアプローチの優先順位を決めるため、効率的なマーケティング活動を実現するためには、スコアリングロジックが重要な要素の一つになると言えるでしょう。

スコアリングロジックを組み立てるメリット

スコアリングロジックを組み立てることで、具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか?本章では、スコアリングロジックを組み立てるメリットを 3 つご紹介します。

受注率が高い(商談化に繋がる)見込み顧客を抽出できる

適切なスコアリングロジックを組み立てることで、受注率が高い(商談化に繋がる)見込み顧客を抽出できます。これにより、注力すべき顧客に自社のリソースを集中させることが可能になり、営業効率化や生産性向上などに直結します。

目的を意識したスコアリングを実現できる

多くの企業では、スコアリングを導入すること自体が目的化してしまうケースが散見されますが、スコアリングロジックを組み立てることで、目的を意識したスコアリングを実現できます。そして、目的が明確化されていれば、スコアリングすべき項目の整理や、不要なスコアリングの除外などをスムーズに行うことが可能になります。

スコアリングの効果測定を容易に行うことができる

スコアリングロジックを組み立てることで、スコアリングの目的を明確化できるため、スコアリングの効果測定を容易に行うことが可能になります。例えば、「高スコアだが商談に至らなかったケース」や「低スコアだが商談に至ったケース」など、意図しない結果に繋がったリードのスコアリング分析を行い、今後の意思決定に役立てることができます。

スコアリングロジックを組み立てる上で陥りがちな課題

次に、スコアリングロジックを組み立てる上で陥りがちな課題についてご紹介します。自社で実践する際に困ることがないよう、ぜひ参考までにご覧ください。

スコアリングが機能しない状態で導入してしまう

スコアリングが機能しない状態で導入してしまうことは、スコアリングロジックを組み立てる際の代表的な課題です。例えば、ハウスリストが十分に溜まりきっていない場合、すべてのハウスリストに営業がアプローチできるため、スコアリングロジックを組み立てる必要性は低くなり、スコアリングの導入自体が目的化してしまいます。

このような状況においては、顧客のアクションに対してインサイドセールスや営業からアプローチを行い、「どんな状態の顧客がフォームを送信してくれているのか」や「何があれば興味関心が高まるのか」などの営業ナレッジ蓄積を優先的に行うべきだと言えます。そして、自社の営業リソースで捌き切れなくなったタイミングで初めて、スコアリングロジックの検討を行うことをおすすめします。

また、スコアリングは受注や商談に繋がりそうな見込み客を予知するための仕組みであるため、受注や商談に繋がる要因がわかっていない段階でスコアリング設定を行った場合、意味のないスコアがカウントされるリスクがあります。そのため、受注要因が分析できていない場合は、スコアリングロジックの導入は避けるべきだと言えるでしょう。

マーケティング組織だけでロジックを組み立ててしまう

マーケティング組織だけでスコアリングロジックを組み立ててしまうと、後行程を考えずに「高スコアな顧客を渡すだけ」に終始してしまう傾向があります。そのため、スコアリングロジックを組み立てる際は、インサイドセールスをはじめとした営業現場の声を積極的にヒアリングし、実情に即した内容となるように意識することが大切です。

コアターゲットやペルソナから外れた見込み顧客をスコアリングの対象にしてしまう

行動スコアリングは「顧客の興味関心度を測る尺度」であり、属性スコアリングは「自社が狙うべき顧客に対する適合度」と表現できます。しかし、行動と属性を混ぜてスコアリングした場合、適合度が高いだけで興味関心がない顧客などをスコアリングの対象にしてしまう可能性があります。大前提として、コアターゲットやペルソナから外れた見込み顧客は商談化させる必要がないため、スコアリングの対象とならないことを覚えておきましょう。

スコアの鮮度を考慮していない

スコアの鮮度を考慮していないことも、スコアリングロジックを組み立てる上で陥りがちな課題の一つです。例えば、同じスコアを持つリードだったとしても、その情報が 1 ヶ月前のものか、 1 年前のものかによって信頼性は大きく変わります。そのため、スコアリングを行う期間や経過時間に応じて減点ルールを設けるなど、スコアの鮮度をスコアリングロジックに反映するための工夫が必要になります。

スコアリングロジックの組み立て方を 5 ステップで解説

ここまで、スコアリングロジックについて詳しく解説してきましたが、具体的にどのように設計すれば良いのでしょうか?本章では、スコアリングロジックの組み立て方を 5 つのステップに分けてご説明します。

Step.1 過去に商談化したユーザーをリストアップする

まずは、過去に商談化したユーザーをリストアップします。この時、商談化したタイミングの行動をスコアリングの対象とするため、ユーザーは「直近 30 日間で商談化したもの」に絞ると良いでしょう。最初のリストアップがスコアリングロジックの精度を大きく左右するため、時間をかけて慎重に作業を進めてください。

Step.2 リストアップしたユーザーの行動データを抽出する

次に、リストアップしたユーザーの行動データを抽出します。

抽出する行動データの具体例としては、

  • メール情報(開封・クリックなど)
  • Web アナリティクス情報(セッション数・ページビュー数など)
  • コンバージョン情報(フォーム送信数など)

が挙げられます。

これらのデータを漏れなく収集し、統計分析を進めるための事前準備を行いましょう。

Step.3 行動データの統計分析を行う

必要な行動データが揃ったら、それらに対して統計分析を行います。

具体的には、次の数値をそれぞれ算出してください。

  • 最大値
  • 最小値
  • 平均値
  • 中央値
  • 分散
  • 標準偏差
  • 最頻値

上記の数値をもとに統計分析を行うことで、行動スコアの重みづけを円滑に進めることが可能になります。仮に分析結果が誤っている場合、スコアリングロジックの精度も下がってしまうため、細かいチェックを実施しながら慎重に作業を進めてください。

Step.4 分析結果をもとに行動スコアの重みづけを行う

統計分析の結果を算出した後は、商談化に繋がる見込みが高い行動スコアの重みづけを行います。なお、スコアの重み付けとして「高・中・低」のようなランク付けを行う際には、標準偏差をもとに設定するように意識してください。

例えば、標準偏差が小さいアクティビティは商談化に至る行動量のバラつきが小さいため、重みづけを「高」とし、標準偏差が大きいアクティビティは平均値から離れている値があるため、重みづけを「低」とするなど、標準偏差を軸に行動スコアに重みづけを行うことで、適切なスコアリングロジックを組み立てることができます。

Step.5 ホットリードのスコア基準値を設定する

スコアの重みづけが完了したら、最後にホットリードのスコア基準値を設定します。なお、ホットリードとは、受注確度が高く、優先的にアプローチすべきリードを意味する言葉です。

この時、「アクティビティの回数」と「行動スコアの重みづけ」の 2 軸でホットリードの具体的なスコア基準値を設定してください。先ほどの例で言えば、「高」を 15 点、「中」を 10 点、「低」を 5 点として重みづけを行なった場合、中央値の回数と付与ポイントの総和が 185 を超えたらホットリードと定義する、といったイメージになります。

そして、スコアリングがホットリードの基準値を超えた場合、営業担当者に対してアラート(通知)が届く仕組みを検討することも大切です。

具体的な通知方法としては、

  • メール通知
  • SMS 通知
  • アプリ内通知
  • Slack 通知

などが挙げられますが、顧客の温度感が下がらないうちに迅速なアプローチができるよう、即時通知が可能な仕組みを検討することが望ましいと言えます。

スコアリング設定における注意点

ここで、スコアリング設定における注意点について理解しておきましょう。

スコアリング設定を行う際は、スコアリングの完成度よりも実行スピードを優先し、設定後の効果検証で PDCA サイクルを回すことに注力してください。スケジュールの目安としては、設定後 2 週間から 1 ヶ月後の段階で一度振り返りを行い、改善点を洗い出すことをおすすめします。

この時、高スコアだったにも関わらず商談に至らなかったコンタクトなどを抽出し、インサイドセールスや営業にヒアリングを行うことが大切です。これにより、スコアリングと実際のコンタクトの見込み度の乖離を把握し、今後のスコアリング設計に反映できます。

このように、スコアリング設定を進める上では、最初から 100% の完成度を目指すのではなく、早めに実行フェーズに移し、早期の課題発見や運用改善に繋げることが重要なポイントになります。そして、定期的に PDCA サイクルを回すことで、スコアリングの精度は徐々に高まるため、何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、根気よく作業を実施してください。

HubSpotを活用したスコアリングの設定方法

ここまで、スコアリングについて詳しく解説しましたが、 HubSpot 社が提供する IT ツール「 HubSpot 」を活用すれば、スコアリング設定を効率的に行うことができます。

HubSpot とは、マーケティングを総合的に促進させる CRM プラットフォームであり、目的に応じて利用できる様々な機能が一気通貫で搭載されています。例えば、マーケティングや営業、コンテンツ管理、カスタマーサービスなど、 HubSpot がカバーしている領域は多岐にわたります。

関連記事:わかりやすい!HubSpotの料金体系をプランごとに徹底解説

最後に、 HubSpot を活用したスコアリングの設定方法を 2 つご紹介します。

スコアリングプロパティを使用して設定

スコアリングプロパティは HubSpot に搭載されているプロパティの一つであり、事前に設定した条件をレコードが満たしている場合はスコアを加点、満たしていない場合は減点します。加点・減点を簡単に設定できる点が大きなメリットですが、設定できるプロパティに上限があったり、スコア対象を繰り返し加点することはできなかったりするなどのデメリットも存在します。また、ワークフローで加点・減点を行うことはできず、数値をリセットする( 0 に戻す)ことも不可能なため、スコアリングプロパティを使用する際には、これらの点に注意する必要があります。

数値プロパティを使用してワークフローで設定

数値プロパティも HubSpot に搭載されているプロパティの一つですが、スコアリングプロパティとは異なり、ワークフローを使用してスコアリングを設定します。スコアリングプロパティと比較して柔軟性が高く、スコア対象を繰り返し加点したり、数値をリセットする( 0 に戻す)ことも可能です。ただし、数値プロパティは設定のワークフローを使用するため、作業の難易度はスコアリングプロパティよりも高いと言えるでしょう。また、スコアリングの管理が煩雑になりやすい点も、数値プロパティでスコアリングを設定する際の注意点として覚えておいてください。

まとめ

本記事では、スコアリングロジックの概要やメリット、課題などに加えて、スコアリングロジックの組み立て方を 5 ステップで分かりやすく解説しました。

スコアリングロジックを適切に組み立てることで、受注率が高い見込み顧客を抽出し、スコアリングの効果測定を容易に行うことができるようになります。この記事を読み返して、重要なポイントやスコアリングの設定方法を理解しておきましょう。

そして、スコアリング設定を行うためには、適切なステップを順番に進めていく必要がありますが、 HubSpot 社が提供する IT ツール「 HubSpot 」を活用すれば、スコアリング設定を効率的に進めることが可能になります。

例えば、スコアリングプロパティを使うことで、あらかじめ決めた条件に沿って加点・減点を簡単に設定できますし、数値プロバティを使用してワークフローでスコアリング設定を行えば、スコア対象を繰り返し加点したり、数値をリセット( 0 に戻す)ことも可能です。

このように、 HubSpot を活用することで、スコアリング設定を円滑かつ迅速に実行できるようになり、自社の業務効率化に繋がります。スコアリング設定を行う際には、 HubSpot が有効なツールの一つになると言えるでしょう。

なお、今回ご紹介した施策は、弊社クリエイティブホープが実施・提案しているリードマネジメント施策の一つになります。この他にも、様々な施策を用意しており、複合的に各種施策を実施することで、リードの案件化数を効率的に増加させることも可能です。

リードマネジメントに関してお困りごとがあれば、こちらの問い合わせフォームより、ぜひお気軽にお問い合わせください。また、弊社クリエイティブホープは HubSpot のプラチナパートナーにも認定されているため、 HubSpot に関するご相談にも柔軟に対応できます。

関連記事:わかりやすい!Hubspot導入支援パートナーの役割と選び方を解説

「このままではデジタルテクノロジーから取り残されてしまう…」と危惧されている企業様こそ、ぜひご相談ください。

本記事を参考にして、スコアリングの活用および HubSpot の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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