マーケティング効果を最大化? MA のダッシュボードの作り方を 7 ステップで解説!

企業がマーケティング活動を行う際には、 MA ツールなどに格納されている様々なデータを分析・活用し、自社の課題発見やアクション検討に繋げる必要があります。そして、データを分かりやすく見える化するためには、ダッシュボードが有効な手段の一つになります。

本記事では、ダッシュボードの概要やメリット・デメリット、具体的な作り方まで、あらゆる観点から一挙に解説します。データ活用やマーケティング活動の効率化を実現したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、この記事でご説明する「ダッシュボード」という言葉は、 MA ツールに格納したデータをソースとしていることが前提条件となっています。この点については、あらかじめご承知おきください。

※ MA ツールに関心のある方は以下の記事が参考になります。

関連記事:【2023年】代表的なMAツール5つを比較!選び方・導入プロセス

ダッシュボードとは?

はじめに、ダッシュボードの概要について理解しておきましょう。

ダッシュボードとは、情報やデータを一つの画面にまとめて表示するためのツールを意味します。ビジネスシーンにおけるダッシュボードは、主に管理上の目的で使用されることが多く、様々な情報源からのデータをリアルタイムに収集・視覚化できます。

本来、データは数字や文字の羅列であるため、人間がそれらを見ても有益な情報を得ることはできません。しかし、ダッシュボードはグラフや表などを用いることで、データを簡潔かつ理解しやすい方法で表示することが可能です。

MA ツールの情報をダッシュボードで見える化する場合、

  • 顧客情報の属性ごとの分布
  • 施策・プロジェクトの進捗
  • ウェビナーアンケート結果の集約

などの活用シーンが考えられます。

これらをダッシュボードで分かりやすく見える化することで、重要な情報やトレンドなどを把握し、今後の意思決定や業績評価などに役立てることができます。

このように、ダッシュボードはマーケティング活動の効果を最大化する上で、とても重要なツールであると言えるでしょう。

ダッシュボードの主な機能

ダッシュボードには数多くの機能が搭載されており、あらゆるビジネスシーンにおいて有効活用できます。本章では、ダッシュボードの主な機能をいくつかご紹介します。

なお、システムごとに実装される機能は変わってきますが、ここでは一般的なダッシュボードに実装されているベーシックな機能をピックアップしてご紹介します。

レポーティング機能

レポーティング機能とは、ダッシュボードに表示されているデータを外部ツールへ出力し、レポートを作成できる機能です。例えば、 HubSpot のレポーティング機能では、 Google スプレッドシートへの出力が可能です。また、ツールによっては設定した条件(日付・時間など)に合わせて、定期的にレポートを自動生成してくれる機能も存在します。

ドリルダウン分析機能

ドリルダウン分析機能とは、データを深掘りして分析したい場合に役立つ機能です。例えば、地域データを分析する際、国から都道府県、都道府県から市区町村など、データの条件を細かく絞り込むことで、より詳細な分析を行うことが可能になります。

チャート・グラフの自動作成機能

チャート・グラフの自動作成機能とは、膨大なデータをチャートやグラフなどを用いて分かりやすく見える化するための機能です。例えば、折れ線グラフや縦棒グラフ、円グラフ、チャート図など、自社の目的やデータの種類に応じて、様々なバリエーションが用意されています。

コネクター機能

コネクター機能とは、他のプラットフォームやアプリケーションなどに接続し、それらをソースとしてデータをインポートする(取り込む)機能です。代表的な接続先としては、 MA ツールや Google Analytics 、 CRM 、 Google スプレッドシートなどが挙げられます。これらのデータをダッシュボードに取り込んで分析・見える化することで、有益な情報を抽出して今後の意思決定などに役立てることができます。

シミュレーション機能

シミュレーション機能とは、データから得られた情報をもとに論理的な将来予測を行うことができる機能です。例えば、過去に実施したメルマガ施策の結果を基にして、検討中の施策がどれくらいの効果が見込めるのかを算出するようなケースが該当します。シミュレーションは客観的なデータに基づいた将来予測が可能なため、データドリブン経営の実現に大きく寄与します。

関連記事:データドリブン経営とは?具体的な実現方法を 5Step でご紹介!

ダッシュボードを活用するメリット

企業がダッシュボードを活用することで、具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか?本章では、ダッシュボードを活用するメリットについて解説します。

異常を素早く検知できる

ダッシュボードで様々なデータを分かりやすく見える化すれば、マーケティング施策における異常を素早く検知できます。例えば、メルマガの開封率や Webinar の参加率などが悪化している場合、何らかの要因が関係していると考えられます。このように、すぐに異常を見つけることで、その原因を特定し、迅速に改善アクションを行うことが可能になります。

各ツールに散在しているデータを一元化できる

多くの企業では、複数のツールを同時並行的に導入・活用していることが一般的です。しかし、各ツールの情報がそれぞれのツールに独立して存在している場合、思うようにデータを活用することはできません。その点、ダッシュボードは散在しているデータを一元的に集約できるため、効率的なデータ活用の実現に繋がります。

データ集計やレポーティングの手間を削減できる

従来、データ集計やレポーティングなどを行う際には、 Excel などのツールを利用して人間が手作業で実施するケースが一般的でした。しかし、ダッシュボードはこれらの作業を自動的に行なってくれるため、作業工数を大幅に削減できます。これにより、担当者は本来注力すべきマーケティング施策の企画立案など、自社のビジネス成長に直結する業務に集中することが可能になります。

ダッシュボードを活用するデメリット

ダッシュボードには様々なメリットがありますが、その一方で注意すべきポイントもいくつか存在します。本章では、ダッシュボードを活用するデメリットについてご説明します。

導入のコスト・難易度が高い

ダッシュボードのデメリットとして、導入のコスト・難易度が高い点が挙げられます。ダッシュボードを導入するための費用に加えて、適正に運用するための人的コストも発生します。また、データを取り込む時やダッシュボードのデザインを作成する時に、プログラミングやコーディングが必要になるケースも存在するため、経験のない初心者にとってはハードルが高いと言えるでしょう。

使いこなすまでに教育コストがかかる

前述した通り、ダッシュボードを使いこなすためには一定の知識が必要になります。そのため、ダッシュボードを有効活用できるようになるまでには、社員を教育するためのコストが欠かせません。ただし、ダッシュボードによって得られる恩恵は非常に大きいため、必要経費と捉えて前向きに投資することが大切です。

ダッシュボードの作り方(手順)を 7 ステップで解説

ここまで、ダッシュボードについて詳しく解説してきましたが、具体的にどのように作成すれば良いのでしょうか?本章では、ダッシュボードの作り方を 7 つのステップに分けてご説明します。

今回の手順は「 HubSpot ダッシュボード」を前提として作成しています。また、 BI ツールは Microsoft 社の「 Power BI 」の前提で執筆していますので、この点はあらかじめご承知おきください。

なお、記事内に掲載している画像は HubSpot 公式サイト「 Power BI Integration 」で公開されている動画を出典元としています。それでは、詳しい内容を見ていきましょう。

関連記事:BIツールとは?活用事例や使いこなすためのポイントを徹底解説!

Step.1 HubSpot Power BI Connector を開く

まずは、ダッシュボードを作成するための事前準備を行います。 HubSpot の認定アプリである「 Power BI Integration 」を開き、メニューの中から「 HubSpot Power BI Connector 」を選択してください。

Step.2 Refresh Rate を選択する

HubSpot Power BI Connector を開くと、はじめに Refresh Rate を選択する画面が表示されます。これは HubSpot Insights から取得される情報の更新頻度を意味しており、「 1 時間」「 6 時間」「 24 時間」の 3 パターンから選択可能です。 Refresh Rate を選んだら、「 GET STARTED 」を押して HubSpot Power BI Connector を起動してください。

Step.3 HubSpot Power BI Connector にログインする

Refresh Rate を選択すると、 HubSpot Power BI Connector へのログイン画面が表示されます。名前やメールアドレス、パスワードなどの必要情報を入力し、「 REGISTER 」を押してください。

Step.4 SQL Server database にアクセスする

HubSpot Power BI Connector へログインしたら、画面左上の「 Get Data 」をクリックします。すると、下図のようなポップアップが表示されるため、「 Database 」の項目から「 SQL Server database 」を選択して「 Connect 」をクリックします。

Step.5 サーバー情報・データベース情報を入力する

次に、アクセスするサーバー・データベースの情報を求められます。必要情報を入力したら「 OK 」を押して次へ進んでください。なお、「 Data Conectivity mode 」のプルダウン選択については「 Import 」にチェックを入れてください。

Step.6 使用するテーブルを選択する

SQL Server database への接続が完了すると、ポップアップの左側に一般的なテーブルの一覧が表示されます。ダッシュボードで使用したいテーブルを選択して「 Load 」を押してください。

Step.7 ダッシュボードを作成する

使用するテーブルを選択すれば、ダッシュボードを作成するための事前準備は完了です。画面右側の「 Fields 」から好きな項目を選び、画面中央にドラッグ & ドロップすることで、自社独自のダッシュボードを作成することができます。

例えば、金額を表示したい場合は「 amount 」を使用する、期限までの日数を表示したい場合は「 days _to_close 」を使用する、など、目的や利用シーンに合わせて、適切な Fields を選択してください。

ダッシュボードを作成する時の注意点

最後に、ダッシュボードを作成する時の注意点をご紹介します。自社で実践する際の参考になると思いますので、ぜひ内容を理解しておいてください。

ダッシュボード作成が目的化しないように意識する

ダッシュボードは作成すること自体が目的ではなく、何かを達成するための手段に過ぎません。ダッシュボードで様々なデータを分析・見える化し、具体的なアクションに繋げてこそ価値が生まれます。そのため、ダッシュボードを作成する際には、何のためにどのようなデータを可視化するのかを明確化し、その後のアクション検討までをセットで考えてください。

自社の状況に合わせたダッシュボードを作成する

マーケティング活動の内容や MA ツールに格納されているデータは会社ごとに異なるため、ダッシュボードを作成する際は、自社の状況に合わせて適切なものを用意することが大切です。自社独自の見やすいダッシュボードを作成することで、現状把握や数値管理にかかる時間を削減でき、自社のビジネス成長に直結する業務に時間を使えるようになります。また、分析作業の効率化や属人化の回避にも繋がるため、ぜひ自社にとって使いやすいダッシュボードを作成してみてください。

事業理解がある人と一緒にダッシュボード作成を進める

ダッシュボードの効果を最大化するためには、事業のキードライバーとなる数値を KPI に設定し、継続的に数値を追っていく必要があります。そのため、ダッシュボードを作成する時は、事業理解がある人と一緒に作業を進めることをおすすめします。仮に、事業理解がない人だけでダッシュボードを作成した場合、データを有効活用できずに「ダッシュボードを作って終わり」になってしまうリスクがあるため、この点には十分注意してください。

まとめ

本記事では、ダッシュボードの概要やメリット・デメリット、具体的な作り方まで、あらゆる観点から一挙に解説しました。

企業がダッシュボードを作成・活用することで、素早い異常検知や散在データの一元化など、様々なメリットを享受できます。この記事を読み返して、具体的な作り方や注意すべきポイントなどを理解しておきましょう。

弊社では、事業理解や事業のキードライバーとなる数値の洗い出し、 KPI ツリーの作成、ダッシュボードの作成など、企業様のビジネス成長をあらゆる観点から全面的にサポートしています。

また、今回は HubSpot ダッシュボードの作り方について解説しましたが、弊社は HubSpot のプラチナパートナーにも認定されているため、豊富な実績と高い信頼性をもとに、企業様の HubSpot に関するご相談にも柔軟に対応できます。

関連記事:わかりやすい!Hubspot導入支援パートナーの役割と選び方を解説

加えて、弊社は事業戦略やマーケティングの視点から、企業様のビジネス成長を実現させることを得意としています。

MA ツールをデータソースにしたダッシュボード作成などのスポット的なご相談はもちろん、

  • 事業戦略
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など、上流工程からのトータルサポートを行うことも可能です。弊社の公式ページ上に提供サービスを掲載していますので、詳しくはリンク先の情報をご覧いただければと思います。

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こちらの問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。入力内容を確認した上で、担当者から改めてご連絡させていただきます。

強引やしつこいセールスは一切ございませんので、ご安心ください。

本記事を参考にして、ダッシュボードの作成を検討してみてはいかがでしょうか?

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