建築環境学に学ぶ、ビジネスで『負けない』ための設計図
こんにちは。
50人の会社から、社会にちょっと良いインパクトを残したい、藤井です。
私は大学院で、建築環境学を学んでいた。
目に見えない光や熱、空気の流れといった環境のふるまいを、定量的・論理的に読み解く学問だ。
建築環境を設計するとき、鍵になるのは「定数と変数」の捉え方である。
太陽の日射や外気温、風の向きといった外部環境は、自分ではコントロールできない「定数」だ。
どれだけ嘆いても、外の気候を自分の思い通りに変えることはできない。
だからこそプロは、日差しを遮る庇(ひさし)の出し方や、風の通り道、断熱の配置といった、自分たちで動かせる「変数」に注目する。
「どんな条件で熱や光のロス(失敗)が起きるか」を論理的に予測し、変数を使ってあらかじめ不快の要因を取り除いておくことを考える。
変えられない定数を受け入れ、コントロールできる変数を調整して「問題が起きない土台」を作る。
そうして初めて、外の環境がどう変化しても快適さを保てる空間が完成する。
前回、孫子の「五事」について触れた。
孫子の兵法の根底にあるのは、勝ちに行くこと以上に「負けない状態をつくること」だ。
原典にはこんな言葉がある。
「勝つべからざるは己に在り、勝つべきは敵に在り」
相手に勝てるかどうかは、市場環境や競合という「自分ではコントロールできない定数」に左右される。
だが、自分たちが負けない準備を整えることは、自分たちの工夫や行動という「変数」で100%コントロールできる。
現代の私たちは、つい「どうやって勝つか」「どうやって成功させるか」ばかりを考えてしまう。
最新のAI活用術やSNSマーケティングの成功法則など、華やかな成功法則という「形式」に目を奪われがちだ。
一方でどうだろう、失敗事例にフォーカスしたものに着目して情報収集はできているだろうか?
成功の条件は時代や環境によって刻々と変わる。
一方で、「どうすれば負けるか」「どうすれば失敗するか」という原因は、歴史を見ても驚くほど共通していることが多い。
ここで強力な武器になるのが「反転思考(逆思考)」だ。
物事を通常の順番とは逆にたどったり、反対側の視点から問い直したりする思考法である。
ビジネスや日々の仕事において、私は大きく3つの「反転」を意識している。
・プロセスの反転(逆算思考)
「今日から積み上げて何をするか」ではなく、「理想のゴール」を起点にして、時間を逆算しながら今やるべき行動を決める。
・前提の反転(失敗からの逆算)
「どうすれば成功するか」ではなく、「どうすればこのプロジェクトは確実に失敗するか?」とあえて問いかけ、その失敗要因を最初に取り除く。
・視点の反転(相手からの検証)
「自分たちが何をしたいか」ではなく、「相手から自分たちがどう見えているか」という逆の視点からプロセスを組み立て直す。
「どう勝つか」という正解を探すのは、暗闇で宝探しをするようなものだ。
しかし、「どうすれば負けるか」を洗い出し、それを反転させて事前に潰すことは、誰にでもできる泥臭く確実な準備である。
勝ち急いで無謀な戦いに飛び込む必要はない。
反転思考を使って「負ける要素」を徹底的に取り除いておくこと。
負けない土台さえ固まっていれば、時代や環境が激変しても、私たちは倒れずに前へ進み続けることができるのだから。
今日、あなたが取り組もうとしているそのプロジェクト。
「どう勝つか」だけでなく、「どうすれば負けるか・失敗するか」を逆から考えてみただろうか。
手元の計画について、どうしたら失敗するか? その条件は何か?をだして問い直してみる。
それだけで、消すべきリスクが浮かび上がり、明日歩むべき道は驚くほどクリアになるはずだ。
日々、アップデート。
自分の歩幅で、進んでいこう
クリエイティブホープ 藤井
