なぜ孫子は「優れたリーダー」より「志」に重点を置いたのか?兵法に学ぶ組織の本質

なぜ孫子は「優れたリーダー」より「志」に重点を置いたのか?兵法に学ぶ組織の本質

こんにちは。
50人の会社から、社会にちょっと良いインパクトを残したい、藤井です。

最近、改めて古典である『孫子の兵法』を読んでみている。
紀元前500年頃、古代中国の呉の国で書かれた軍略書だ。

全13篇、わずか6,000字ほどしか書かれていない。
だがそこには、現代の経営やビジネスにも通じる本質が詰まっている。

特に心に強く残るのが、第1篇に出てくる「五事(ごじ)」という教えだ。
戦う前に、自分と敵を比べるための5つの物差しである。

その5つとは「道・天・地・将・法」。
・道:志を同じくし、一体となれているか(ビジョン・共感)
・天:季節や時代の潮流(市場環境・タイミング)
・地:立地や地形の利(市場のポジション・競合状況)
・将:リーダーの能力や人徳(マネジメントの質)
・法:組織のルールや仕組み(制度・運用)

この並び順には意味があるんだろうなと思わず唸ってしまった。
一番最初に来るのは、優秀なリーダー(将)でも、完璧な仕組み(法)でもない。
「道(共感と志)」なのだ。

どれほど優秀な将軍がいても、どれほど最新の装備を整えても、組織の志がバラバラなら勝てるわけがない。

孫子は2500年も前に、その実態を見抜いていた。
2500年経った現代のビジネスや組織づくりも全く同じことが言える。

これが人の世の本質なのだろうか。
現代の私たちは、つい「将」や「法」に目を奪われがちだ。

・どんな優秀な人材(将)を採るか
・どの最新AIツール(法)を導入するか
・どんな評価制度や組織図(法)を作るか

目に見えて分かりやすいというもあるのかもしれない。
もちろん、それらも大切な要素である。

しかし、形ばかりのツールや制度を整えても、肝心の「道」が抜けていては意味がない。

「何のために、この事業をやっているのか」
「誰のどんな課題を解決したいのか」

この「道(目的)」が揃っていない組織にどれだけ強力なツールを与えても、現場は混乱し、エネルギーは空回りしてしまう。

素材や技術に頼る前に、まずは志という「流れ」を整えること。

これこそが、ビジネスにおける戦略の原点なのだ。
もうひとつ、孫子の言葉で深く心に響く一文がある。

「勝つべからざるは己に在り、勝つべきは敵に在り」

相手に勝てるかどうかは、市場環境や競合という「自分ではコントロールできない定数」に左右される。

だが、「負けない状態をつくること」は、自分たちの準備次第(変数)でいくらでもコントロールできるという意味だ。

勝ち急いで無謀な戦いに飛び込むのではない。
まずは自分たちの「道」を固め、負けない土台をじっくりとつくること。
私自身は、代表として日々意識していることだ。

結局のところ、成果とは無理に掴みに行くものではなく、
整った準備の先に「自然と手に入るもの」なのかもしれない。

私たちが最初に向き合うべきは、常に「自分たちは何を目指しているのか」という泥臭い本質なのだと思う。

手元の作業を一度止めて、自らの「道」を確かめてみる。
それだけで、明日からの歩みは、迷いのない力強いものに変わるはずだ。

日々、アップデート。
自分の歩幅で、進んでいこう。

クリエイティブホープ 藤井