要件定義を「動くHubSpot」に落とし込む設計の勘所
この記事の要約(TL;DR)
- 要件定義書ができても、それをそのまま「動くHubSpot」に変換できるわけではありません
- 設計フェーズでは、ライフサイクルステージやプロパティといった具体的な設定に落とし込む作業が必要です
- 見落とされがちですが、既存データのクレンジングがプロジェクトの成否を大きく左右します
- プロパティ→ワークフロー→ダッシュボードという順序で設計を進めると、やり直しが少なくなります
- 導入フェーズを丁寧に行うことが、その後の定着化・運用の土台になります
要件定義が終わっても「使えるHubSpot」にはまだ距離がある

前回の記事で要件定義の重要性をお伝えしましたが、要件定義書が完成した時点では、まだ「使えるHubSpot」の完成には、ほど遠い状態です。ここから設計・設定という、また別の専門性が求められる工程が始まります。
「要件定義書はできたのに、いざ設定しようとすると迷う」というギャップ
要件定義書には「長期検討層に自動でコンテンツを配信する」といった業務要件が言葉で書かれていますが、それをHubSpot上の具体的な設定に翻訳する作業は、また別のスキルセットが必要です。この翻訳作業を軽視すると、せっかくの要件定義が絵に描いた餅で終わってしまいます。
設計フェーズで具体化すべきこと(ライフサイクルステージ、プロパティ設計)
具体的には、顧客がどの検討段階にいるかを示す「ライフサイクルステージ」の設計や、顧客・物件の情報をどの「プロパティ(データ項目)」で管理するかの設計から着手します。ここで曖昧な設計をしてしまうと、後々のレポーティングや自動化に支障が出ます。
見落とされがちな「データクレンジング」がプロジェクトの成否を分ける
既存データをそのままインポートすると起きる問題
既存システムに蓄積されたデータをそのままHubSpotにインポートしてしまうと、表記ゆれや重複、欠損値がそのまま持ち込まれ、後の自動化施策の精度を下げてしまいます。私たちが支援したプロジェクトでも、このデータクレンジングの工程に想定以上の時間を要するケースは少なくありません。
加工ルールの策定と、既存システムとの整合性チェック
データをどう加工するかのルールを策定し、既存の業界特化CRMなど他システムとの整合性を確認しながら進めることで、インポート後の混乱を防ぐことができます。地味な作業ですが、この工程を丁寧に行うほど、その後の運用がスムーズになります。
設計から導入代行までの実務プロセス(実プロジェクトより)
プロパティ・ワークフロー・ダッシュボードの設計順序
実務では、まずプロパティ(データ項目)を確定させ、それを土台にワークフロー(自動化の流れ)を組み立て、最後にダッシュボード(レポート)を設計するという順序がやり直しを最小化します。逆の順序で進めると、レポートに必要な項目が後から足りないことに気づく、といった事態が起きがちです。

メール配信準備・初期レポート整備までの一連の流れ
設定が整ったら、メールテンプレートやリストの作成、初期レポートの整備まで一貫して進めます。この段階でチャットツールなどを使った質疑応答の窓口を用意しておくと、現場からの疑問にもスピーディーに対応できます。
導入フェーズを丁寧にやることが、定着化・運用の土台になる
設計・導入フェーズは専門的で地味な作業の連続ですが、ここでの精度が、次の定着化フェーズやPDCA推進フェーズでの成果に直結します。要件定義で描いた「あるべき姿」を、実際に現場で動くものへと変換する、いわばプロジェクトの要となる工程です。
次回は、導入したHubSpotを現場に定着させ、継続的な運用体制を築くプロセスについてご紹介します。
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