2万件超の顧客データを浄化。ABM推進を支える基盤構築と自動化
お客様の課題
起きていた事象
- HubSpot内に2万2900件の会社レコードが存在し、法人名と外部データツールの会社名の不一致や重複が大量に発生していた。
- 過去のデータインポートの影響でドメイン情報が欠損しており、会社データとコンタクト(担当者)データの紐付けが不十分であった。
- データ品質の低さが、ABM(アカウントベースドマーケティング)やリードマーケティング推進における致命的なボトルネックとなっていた。
解決策・ご支援したこと
伴走アプローチの軸:単なるデータ修正の作業代行ではなく、データアーキテクト兼PMOとして参画。非現実的な「全件手動修正」を避け、自動化を前提とした費用対効果の高いデータ運用戦略を立案・主導しました。
戦略立案・全体設計(要件定義)
まずは調査期間を設け、HubSpot内のデータ状況とアクセス権限の現状を詳細に分析・診断しました。2万2900件の膨大なデータに対して100%の手動クレンジングを目指すのは工数・費用の観点から非現実的であると判断し、法人番号を特定できるレコードの「機械的な重複排除」を最優先ゴールとする現実的な計画を策定しました。全範囲の手動対応から機械的アプローチを中心とするフェーズ1へとプロジェクトスコープを再定義し、大幅な工数削減と迅速な立ち上げを実現しています。
具体施策の実行・運用(データクレンジング)
実際のクレンジング作業においては、データの無闇な削除による関連コンタクトや取引情報の消失リスクを防ぐため、ロールアッププロパティなどを活用した安全なマージ(統合)処理を基本方針として実行しました。また、既存の会社名、WebサイトURL、ドメイン情報の欠損状況をリアルタイムで把握するためのカスタムレポート群を細かく設計し、不備のあるデータを可視化しました。さらに、今回の会社オブジェクトの整備に留まらず、次期フェーズを見据えたコンタクトデータのメンテナンス(メールバウンス対策など)に向けた要件整理も並行して推進しました。
基盤構築・データ分析(仕組み化・持続可能な運用)
クレンジングの「スポット対応」で終わらせず、システムに新しいデータが入る際の「汚れ」を未然に防ぐため、法人番号を利用した自動紐付けのワークフローを提案・構築しました。また、レコードの不備や法人番号の重複など、データ間の整合性を運用担当者が定期的にチェックできるダッシュボード環境を整備しています。グループ会社間のドメイン重複問題に対しても、従来のドメインベースから法人番号ベースでの管理へ移行することで、より精緻でエラーの起きない顧客管理基盤を確立しました。
- 法人番号をキーとした機械的なデータクレンジングと重複マージの実装
- データの欠損状態(会社名、URL、関連コンタクトなし等)を常時監視するカスタムレポートの設計
- 継続的なデータ品質維持のためのダッシュボード構築と自動化ワークフローの策定

使用ツールや他ツールとの連携
- HubSpot(CRM / Marketing Hubなど)
- フォーカス(企業情報ツール)
- Sansan(外部データ連携ツール)
成果
成果のポイント
- 2万件超のデータ浄化と最大1.5ヶ月での基盤確立
2万2900件の会社レコードに対し、法人番号を活用した機械的な処理を優先することで、最大1.5ヶ月という短期間かつ適正なコストでの大規模データクレンジングを実現しました。これにより、ABM推進に不可欠な「会社ベースでの顧客接点の追跡」が正確に行えるデータ基盤が整いました。また、手作業による運用から自動紐付けの仕組みへと移行したことで、将来的なデータの再汚染を防ぐ持続可能なマーケティング環境の構築に成功しています。
クリエイティブホープの支援のポイント
当社は「言われた通りの作業をこなす」だけの単なるベンダーではありません。今回の事例においても、クライアントが直面していた「膨大な手作業によるデータ整備」という課題に対し、データ構造とHubSpotの仕様を熟知した専門家として、「やるべきこと」と「機械に任せるべきこと」の境界線を明確に引き直しました。クライアントのチームの一員として泥臭くデータに向き合いながらも、最終的なビジネスゴール(ABMの推進)から逆算したシステム設計と運用ルールの策定まで、戦略と実行の両輪で深くコミットしています。
よくあるご質問
Q. 蓄積された大量のデータがあり、どこから手をつけていいか分かりません。
A. 今回の事例のように、まずは「調査(簡易分析)」を通じて現状のデータ状況を可視化することから始めます。全件を手動で直すのではなく、法人番号などのユニークキーを活用した「機械処理可能な領域」を切り出し、費用対効果の高いフェーズ分けをご提案します。
Q. データクレンジング後、再びデータが汚れてしまうのが心配です。
A. クレンジングは一過性の作業ではなく、その後の「運用ルールの仕組み化」が最重要です。HubSpotのワークフロー機能を活用した自動紐付けや、不備データを即座に検知するダッシュボードを構築することで、クリーンな状態を維持する持続可能な環境をご提供します。
Q. データの統合作業によって、過去の商談履歴などが消えてしまわないか不安です。
A. 安全性を最優先に考慮し、単純な「削除」ではなく「マージ(統合)」処理を実施します。また、作業前にエクスポートによるバックアップや、情報の欠損を防ぐプロパティの設計を行うため、マーケティング活動に必要な履歴データを損なうことなく基盤を整備できます。