書籍『HubSpotワンストップマーケティング』|内容と、2026年時点で読み替えるべき点

書籍『HubSpotワンストップマーケティング』|内容と、2026年時点で読み替えるべき点

最初にお伝えしておくこと
本書は2022年2月刊行です。刊行から4年半が経ち、HubSpotの製品構成・名称・パートナー制度は大きく変わりました。
一方で、BtoBマーケティングの原則と、組織をどう変えるかという中身は、いま読んでも古びていません。
このページでは、本書の内容とあわせて、2026年時点で読み替えるべき点を正直に整理しています。

このページについて

本書の著者である株式会社クリエイティブホープ(HubSpot Platinum Partner)が編集しています。自著の紹介ページですが、刊行から時間が経って実態と合わなくなった箇所を隠さずに書くことを方針としました。


書籍情報

項目 内容
書名 HubSpotワンストップマーケティング
著者 株式会社クリエイティブホープ
発行 フォレスト出版株式会社
初版発行 2022年2月12日
ISBN 978-4-86680-164-3
内容の基準時点 2022年1月

1. 【重要】2026年時点で読み替えるべき点

先にここを読んでください。本書のどこが今も有効で、どこが変わったのかを整理します。

変わっていないもの(本書の中核)

内容 なぜ今も有効か
BtoBマーケティングの原則 リード数のみをKPIにしてはいけない、マーケと営業の分断をどう埋めるか。組織の問題は技術で解決されません
6つの導入事例 ツールの機能ではなく、組織と人がどう変わったかを描いています。人の話は古びません
コンセプトダイアグラム 全体戦略を可視化するフレームワーク。ツールに依存しません
マーケ脳とセールス脳の違い 部門間の思考様式の差。構造的な問題です
セールスイネーブルメントの考え方 BANT情報をどう取るか。手段は変わっても目的は同じです
カスタマーサクセスの組織論 サポートとサクセスの違い、KPI設計、立ち上げ方
DX時代の人材論・組織論 Π型人材、ファーストペンギン、アジャイル組織への移行

変わったもの(読み替えが必要)

本書の記述(2022年1月時点) 2026年8月現在 補足記事
CMS Hub Content Hub に名称変更(2024年)
Operations Hub Data Hub に名称変更(2025年秋)。Data Studioが追加され、データ基盤としての役割が拡大
5つのHub構成 Revenue Hub(CPQ・請求・決済)、Agent Hub(AIエージェント)、Smart CRMAEO(Beta) などが加わりました
AIへの言及はほぼなし AIエージェントが製品の中核に。生成AIによる検索環境の変化(AEO)も新しい論点です
2025年の崖」への警鐘 2025年は既に過ぎました。警告としてではなく、DXの遅れが実際に何をもたらしたかという観点で読んでください
料金体系 課金モデルが改定されています。最新はHubSpot公式でご確認ください
パートナー制度 2026年に大幅改定。GRR(顧客維持率)要件の新設、メンバーシップの有料化(月額48,000円)、ポイント基準の引き上げなど パートナー完全ガイド
認定制度 アクレディテーション(Platinum以上のみ申請可)とバッジという組織単位の認定が整備されました アクレディテーション解説

読み方の指針

本書は「HubSpotの本」として読むと、製品情報の古さが気になります。

しかし著者らが序文で明言している通り、本書はHubSpotのマニュアルでもガイドブックでもありません。HubSpotを題材にしているのは、それがBtoBマーケティングを説明する材料として最適だからです。

Chapter 2の事例と、Chapter 3のフレームワーク、Chapter 4の人材論。ここが本書の価値です。

製品仕様に関する箇所は、本ページ末尾の関連記事で最新情報を補完してください。


2. この本が生まれた背景

本書の序文は、次の3つの声から始まります。企業の現場から繰り返し寄せられてきた言葉です。

  • 自力でマーケティングを実践しているが、なかなか成果が出ない
  • マーケティング部門が創設されリーダーに抜擢されたが、営業部門から期待されていないと感じる
  • 成果拡大のためにデジタルマーケティングツールを導入したいが、何に着目して選べばよいのか分からない

これらは、特に伝統的な大手企業からよく聞かれる声です。刊行から4年半経った今も、相談内容として変わっていません。

本書を貫く問題意識は、日本企業がシステムを自社向けにカスタマイズすることを好む一方で、マーケティングで負けているのであれば、自社のマーケティングに合わせてシステムを作り込むより、海外のマーケティング標準を取り入れたシステムに自社のマーケティングを合わせるほうが有利ではないか、という提起にあります。

この論点は、むしろ2026年のほうが切実になっています。AI機能が標準搭載されていく流れの中で、独自にカスタマイズされたシステムほど新機能の恩恵を受けにくくなるためです。


3. 目次

序文/はじめに ― HubSpotとは

CRMをベースにした統合プラットフォームとしての全体像を解説します。
※この章の製品構成の記述は、現在と異なります(前述の対照表を参照)。

Chapter 1:BtoBマーケティングのリアルな課題とHubSpotが担う役割

  • BtoBデジタルマーケティングはDXを目指す取り組みの1つ
  • 放置しておけば「2025年の崖」から落ちる ※2025年は経過済み
  • なぜ日本企業はBtoBマーケティングが遅れているのか?
  • SaaSの利用が進まない理由
  • 欧米企業は日本企業をこんなふうに見ている?
  • 実は日本にも成功している企業はたくさんある
  • トップダウンを待っていてはダメ
  • 失敗を許容しない企業に未来はない

Chapter 2:事例で見るBtoBマーケティング【本書の中核・今も有効】

まずマーケティング部門でスタートして営業部門を巻き込んでいく、という基本方針のもと、6つの事例を掘り下げています。

事例 テーマ
事例1 マーケティングの考え方を押しつけず、営業の意見に耳を傾けよ
事例2 法人マーケティング経験がないベンチャー企業からの相談
事例3 無理な目標ではないものの、やり方を変えないと達成できない
事例4 MAツールをHubSpotに変えたら営業部門の意識が変わった
事例5 高額商材だとBtoCでもBtoBと同様のマーケティングが必要となる
事例6 BtoBtoC企業が直販を始めたことでMAを導入

事例1では、一人の担当者がどのようにDX人材へ成長していったのかが詳しく描かれています。改革プロジェクトにアジャイル型が向く理由にも触れています。

事例3では、コンセプトダイアグラムを使った全体戦略と役割分担の定義、マーケティング部門が社内で力をつけるための考え方が扱われています。

この章は、ツールの機能ではなく人と組織の変化を描いているため、いま読んでも内容が古びていません。

Chapter 3:BtoBマーケティングを飛躍的に改善するための実践的アドバイス

「クリエイティブホープ BtoBフレームワーク」を軸に、5つのセクションで構成されています。

Section 1:BtoBマーケティング全体戦略 ― 最初から最後まで数珠つなぎにする
はじめに事業戦略ありき/まずはペルソナから/コンセプトダイアグラムで全体像を共有する/ターゲットをマッピングして行動と成果を俯瞰する

Section 2:リードジェネレーション ― リード数のみをKPIにしてはいけない
リード数のみを目標としてかき集めても意味はない/よくあるリードジェネレーションの間違い/マーケティング脳とセールス脳の違い/広告とコンテンツの活用/HubSpotのドキュメント機能でPDFの閲覧状況を「見える化」する

Section 3:リードマネジメント ― マーケティングは優秀なミッドフィルダーたれ
「サッカーの戦法」が変わったのに昔のままの戦法では勝てない/MAの設計図の書き方/コンセプトダイアグラムをMAツールに実装するには/リードマネジメントの目的はホットリードのキラーパス/データ統合において最も重要なこととは

Section 4:セールスイネーブルメント ― ツールで「見える化」せよ
顧客の検討プロセスが見えにくくなった/営業にとってのMAのメリット/欲しいものはBANT情報/BANT情報の獲得テクニック/シミュレーションツールを活用してBANT情報を取る/態度変容した見込み客を営業にアラートする

Section 5:カスタマーサクセス ― 顧客の成功をサポートできる会社が生き残る
カスタマーサクセスとカスタマーサポートは別の組織で対応する/テックタッチという考え方/カスタマーサクセスのKPIは何か?/カスタマーサクセス組織の立ち上げ方

コラム:BtoBマーケティング本来の4種類のリード

※Section 2の「PDFの閲覧状況を見える化する」で紹介されているドキュメント機能は、現在も有効です。特に技術資料が検討の中心にある製造業では、いまも実務で効果が大きい機能です(製造業のHubSpot導入ガイド)。

Chapter 4:DX時代に必要とされる人材になろう【今も有効】

  • BtoBマーケティングに向いている人材とは
  • Π型人材であれ
  • ファーストペンギンになろう!

おわりに


4. こんな方に読んでいただきたい本です

強く推奨する読者

  • マーケティング部門を立ち上げた、または立ち上げようとしている責任者
  • 営業部門との連携に課題を感じているマーケター
  • BtoB企業でDXを推進する立場にある方
  • リード数はあるのに商談に繋がらない、と悩んでいる方
  • 導入事例から、他社が組織をどう変えたかを知りたい方

この本が向かない読者

  • HubSpotの最新の製品情報・料金を知りたい方(2022年1月時点の情報です)
  • HubSpotの操作方法・設定手順を知りたい方(本書はマニュアルではありません)
  • AIを活用したマーケティングの最新手法を知りたい方(本書の刊行時点では扱われていません)

最新の製品情報は、HubSpot公式サイトおよびHubSpot Academyをご利用ください。パートナー選定や費用については、本ページ末尾の関連記事で2026年時点の情報を提供しています。


5. 執筆メンバー

本書は、株式会社クリエイティブホープの、当時実際の支援現場に立っていたメンバーによって執筆されました。

執筆者 役職(刊行当時) 担当章
篠原 誠 Growth Hack事業部長/デジタルマーケティング戦略コンサルタント Chapter 1・2・3・4
鹿島 麻里 デジタルマーケティングコンサルタント Chapter 1・2・3・4
白石 達也 デジタルマーケティングコンサルタント Chapter 3
吉川 浩由 Growth Hack事業部 Tribe Leader/Growth hacker Chapter 3
藤井 廣男 取締役 兼 CMO Chapter 3

※所属・役職は、いずれも刊行時点(2022年2月)のものです。現在は在籍していないメンバーも含まれます。


6. 本書の「裏のテーマ」― これは今も変わりません

おわりにで、著者らは本書のもう一つのテーマを明かしています。

それは「働き方改革」です。

クリエイティブホープ自身がアジャイル組織へ移行した経緯が語られています。DXを実現するにはどのような組織がふさわしいかを考え、さまざまな組織論を研究した結果、階層組織ではなくメンバーが自律的に行動する「ティール組織」だと結論づけ、そのための試行錯誤の中でアジャイル的な働き方が最適だと分かった、という流れです。

アジャイル組織化で実感したのは、嫌なストレスがなくなることだといいます。期待や責任感による良い意味のストレスは残るものの、それがやりがいに直結する。

DXが実現してもストレスフルなままでは意味がない。この問題意識は、AIが業務に入ってきた2026年において、むしろ重要性を増しています。


7. 著者について

株式会社クリエイティブホープ

2002年の創業よりデジタルマーケティング支援を行うコンサルティング企業。テクノロジーを軸としたコンサルティング事業を展開し、企業が抱えるビジネスの問題を「サービス・組織・システム」の3つの側面から課題を整理し、「あるべき姿」を提案・実行するところまで責任を持って支援するスタンスで企業のDX化を推進しています。

2015年よりHubSpot社のパートナーとなり、現在はPlatinum Partnerとして様々な企業のHubSpot導入・運用支援を行っています。

項目 内容
HubSpotティア Platinum Partner
パートナー歴 2015年〜(10年以上)
HubSpot有資格者 30名以上
受賞 HubSpot「Customer First in Japan 2021」/「Grow Better at Community 2021」
引き継ぎ実績 他社パートナーからの引き継ぎ10社以上
認証 プライバシーマーク/ISO/IEC 27001

支援社数を増やすことよりも、1社ごとに深く長く関わることを選んできました。書籍で紹介した事例のように、事業戦略の整理から組織の変革、ツールの実装、定着まで、フェーズをまたいで伴走しています。


8. 【2026年最新】書籍の内容を補完する記事

本書の刊行後に変わった領域について、最新情報をまとめた記事を公開しています。

知りたいこと 記事
パートナー制度の最新要件と、選び方の全体像 HubSpotパートナー完全ガイド
アクレディテーション・バッジという新しい認定制度 HubSpotアクレディテーション徹底解説
導入支援の費用相場と、見積書の読み方 HubSpot導入支援の費用相場
導入したが使われていない状態の立て直し HubSpotの形骸化を立て直す方法
パートナーの乗り換え・引き継ぎ 乗り換え・引き継ぎ完全ガイド
SalesforceからHubSpotへの移行 Salesforce移行完全ガイド
製造業での設計(商流・長期案件・事業部横断) 製造業のHubSpot導入ガイド
住宅・不動産での設計(反響追客・LINE連携) 住宅・不動産のHubSpot導入ガイド
パートナーになるための要件(支援会社向け) HubSpotパートナーになるには

HubSpot導入・活用のご相談

本書を読んで「自社の場合はどうか」と思われた方は、お気軽にご相談ください。

書籍で扱った組織をどう変えるかという論点は、4年半経った今も相談内容の中心です。一方で、製品も制度も変わり続けています。両方を踏まえた上でご相談いただけます。

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株式会社クリエイティブホープ(HubSpot Platinum Partner)
https://www.creativehope.co.jp/hubspot

※本書の内容は2022年1月時点の情報をもとに構成されています。HubSpotの製品構成・名称・料金・パートナー制度はその後改定されているため、最新情報は上記の関連記事およびHubSpot公式サイトをご確認ください。

最終更新日:2026年8月29日

HubSpotの導入・活用支援ならクリエイティブホープ

株式会社クリエイティブホープは20年以上、業種業態を問わないDX・デジタルマーケティングのコンサルティング・伴走支援を行って参りました。単純なHubSpotへの専門性だけでなく、事業戦略から実行まで網羅的に支援してきた経験で、貴社のHubSpot環境の全体最適をご提案申し上げます。



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導入や運用は30名を超えるHubSpotの有資格社員の中から、ご要望やプロジェクトに合わせて適切なメンバーをアサイン。豊富な知識や経験に対してこれまでHubSpot社から「Customer First in Japan 2021」の表彰やコミュニティでの活動を表彰されています。

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